もしかして「過保護」になっているかも?子どもへの影響と自信の親との付き合い方

更新日 2025年05月08日 | カテゴリ: 子育て・家族関係

「子どもの安全を守りたい」「自分のような失敗をしてほしくない」…そんな気持ちが強いからこそ、子どもの行動を過剰に先回りしていませんか?
もしかしたらその行動は「過保護」かもしれません。

過保護の状態が続くと、あなたは「毒親」になり、子どもは「アダルトチルドレン」として生きづらさを抱える可能性があります。
今回は、そのような事態を防ぐためのヒントをお伝えします。

この記事のまとめ

  • 過保護は、子どもの発達課題や自立の機会を親が奪ってしまう可能性がある
  • 過保護は、子どもの自己肯定感の低下、自立を妨げ依存的になりやすいなどの影響がある
  • 対応策は、見守る勇気を持つ、子どもに押し付けない、問いかけを増やすなど
  • 過保護な親から解放されるためには、親の価値=自分の価値ではないと気づき、親と適切に距離をとるなど

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目次

  1. 「過保護」とは
  2. どこからが「過保護」?チェックポイント
  3. 「過保護」な親の特徴
  4. 親の「過保護」が子どもに与える影響
  5. 「過保護」な親にならないためのアドバイス5つ
  6. 「過保護」な親から解放されるための方法5つ
  7. 「過保護になってしまう」「親と距離をとりたい」…解決策の整理にカウンセリングを

「過保護」とは?

過保護とは、子どもが本来自分でできることまで親が先回りしてやってしまう状態のことです。
例えば「転ばないように常に先に手を出す」、「困る前にすべてを準備してしまう」、「失敗や挫折の経験をさせないようにする」などが挙げられ、一見優しい親に感じますが、結果的に子どもが自分で考えたり判断したりする力を育てる機会を奪ってしまい、それが子どもの無力感や自信のなさに繋がることがあります。

「過干渉」との違い

一方で過干渉は、子どもの行動・思考・選択に過度に介入し、コントロールしようとする状態です。
例えば、「服装や友人関係、進路まで細かく口を出す」「『あなたのため』と言いながら本人の意思を無視する」などがあります。
過保護が、先回りの手出しで、過干渉は心への踏み込みをいう差があります。

子どもの主体性や自己決定感を奪い、将来的に子どもが「自分の意見がわからない」「誰かに許可を求めがち」という悩みを抱えるようになる可能性があります。

「甘やかし」との違い

さらに似た言葉で「甘やかし」があります。甘やかしとは、子どもの欲求を一貫性なく何でも叶えてしまう育て方です。
例えば、「わがままを叱らない、ルールを決めない」、「泣けば物を与える、努力しなくても褒めすぎる」などがあります。

甘やかしの結果、子どもは「自分が中心で当然」と思い込んでしまい、社会性や忍耐力が育ちにくくなります。

「過保護」と「毒親」の関連性

では、最近よく聞く「毒親」という言葉と「過保護」はどのように関連しているでしょうか。
毒親とは、子どもの心身に長期的に悪影響を及ぼす言動をする親のことです。

過度な束縛、親の感情のはけ口にされるなどが特徴として挙げられ、子どもの人格や人生の自由を尊重せず、自分本位な態度を繰り返すという点では、毒親には「過保護」の要素も含まれていると言えるでしょう。

それぞれに違いがありますが、共通しているのは、子どもの自己肯定感や自立を妨げる可能性があるという点です。

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どこからが「過保護」?チェックポイント

子どもを守り育てる日々には、心配がつきもの。自分が過保護になっていないか不安になる人も多いでしょう。どこからが過保護になるのでしょうか?

過保護とは、子どもの発達課題や自立の機会を親が奪ってしまう状態です。例えば以下のポイントに注目してみましょう。

本人が自分でできることを、親が常に代行しているか?

・良い例:初めての場面で、やり方を一緒に考えたり見守る

・過保護:失敗しないように、最初から親が全部やってしまう

子どもには挑戦と失敗の経験がないと、自信が育ちません。将来のことを考えるのであれば、親が勇気を持って、子どもの経験を優先させましょう。

親の不安や期待で行動を決めていないか?

・良い例:子どもの意思を尊重し、選択を応援する

・過保護:「失敗させたくない」「傷つけたくない」から先回りして制限する

子どもを育てる上で親が不安を抱えるのは自然なことですが、それを理由に子どもの選択肢を奪うと、結果的に自己決定力が育たなくなってしまいます。

「してあげること」が習慣化していないか?

・良い例:一時的なサポートや本人が求めたことへの援助

・過保護: 宿題を代わりにやる、毎回忘れ物を届けるなど、習慣的に「やってもらうのが当たり前」にしてしまうこと

これは愛情ではなく過剰な介入です。親が行動するほど、「してあげること」が習慣化すると子どもが育つチャンスが減ってしまいます。

「もしかして過保護かも?」と迷った時は、「この行動、“子どものため”か?それとも“親の安心”のためか?」と自分に問いを投げかけてみてください。”親の安心のため”であれば、過保護になっているかもしれません。

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「過保護」な親の特徴

なんでも先回りしてやってしまう

子どもが困る前に手を出し、失敗や挫折を経験させないように先回りします。
例えば、服を選び、忘れ物を届け、宿題にも口を出す。これは一見手厚い愛情に見えますが、実は、自分でやる力や試行錯誤する経験を奪ってしまい、子どもの自立心や自己効力感を育てるチャンスを失わせてしまいます。

子どもの安全や成功に“過度に”こだわる

ケガや失敗、間違いを極端に恐れ、「傷つかないように」「失敗しないように」と行動を制限したりコントロールしようとします。進路や人間関係まで手を出し、結果的に子どもの自分で決める力を弱めてしまいます。

子どもの喜怒哀楽を、すぐに解消しようとする

泣く、怒る、悩む…などの子どもの感情を「見ていられない」「かわいそう」と感じ、すぐになだめたり、すぐに解決してしまう傾向があります。

しかし、感情と向き合う機会が奪われることで、子どもは自分で感情を処理する力や気持ちの耐性を育てにくくなり、大人になってからも感情に振り回されやすくなります。

「子どものため」と言いながら、自分の安心を優先している

無意識のうちに「子どもが失敗したら自分が責められる」「恥をかく」と感じており、子どもをコントロールすることで自分の不安を抑えています。

表向きは「子どもを大事にしている」つもりでも、内心では親自身の満足や理想像を押しつけている場合も多くあります。

子どもを信じず、無力だと思い込んでいる

「この子にはまだ無理」「放っておいたら何もできない」と思っていて、あらゆる場面で助けることが習慣になっています。

しかし、子どもには本来学ぶ力、工夫する力が備わっており、過保護にされることでその芽が摘まれてしまいます。親に信じてもらえないことは、大きな自己否定につながります。

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親の「過保護」が子どもに与える影響

自立心や行動力が育ちにくくなる

過保護な環境では、子どもが、自分で考えて、選んで、失敗するという経験を重ねにくくなります。
その結果、大人になっても「誰かに決めてほしい」「自分では判断できない」と感じるようになり、依存的になりやすく、他人に許可されないと行動できなくなっていきます。

自己肯定感が低くなりやすい

常に手を差し伸べられて育つと、子どもは「自分は一人ではできない存在なんだ」と思ってしまいます。
また、親の期待に応え続けることが愛情の条件になっている場合、自分自身の価値を成果や評価に結びつけてしまい、ありのままの自分を肯定する力が育ちにくくなります。

失敗や挑戦を極端に恐れるようになる

過保護により、「失敗=避けるべきもの」と刷り込まれてしまうと、新しいことにチャレンジすることや未知への一歩がとても怖く感じられるようになります。
失敗しない自分でいなければいけないと思い込み、無意識のうちにチャレンジを避けたり、自分を過小評価してしまうようになります。

他人との境界線があいまいになる

親が常に先回りして世話を焼いていた場合、子どもは「誰かがやってくれる」「自分の感情や行動は他人次第」と感じるようになります。結果として、他人に依存しやすくなったり、自分の意見や欲求をうまく主張できなくなったりします。

​​社会性や問題解決力が育ちにくい

人間関係のトラブルや困難を、親がすぐに介入して解決してくれる環境で育つと、自分で人との関係を築いたり、トラブルを処理する力が育ちにくくなります。
そのため、学校や職場などの集団生活でつまずきやすく、対人ストレスに弱くなることもあります。

「過保護」な親にならないためのアドバイス5つ

手を出す前に、見守る勇気を持つ

子どもが困っている時にすぐに手を出すのではなく、「この子は今、学んでいる最中」と捉えて見守ることが大切です。
上手くいかなくても、自分で考え、やり直し、工夫する経験が、のちの大きな自信になります。失敗させることも立派な教育です。

「できる・できない」ではなく「やってみよう」を大事にする

「この子にはまだ無理」と決めつけず、「どうやったらできるか」を一緒に考えてみましょう。完璧にできなくてもいいから、まずやってみる。それが子どもの挑戦力や問題解決力を育てます。

親の安心を子どもに押しつけない

「危ないから」「失敗したらかわいそう」という親の不安を、子どもの行動を止める理由にしないよう気をつけましょう。

子どもは、たとえ転んでも、失敗しても、そこから立ち上がる力を持っています。親の安心のために制限するのではなく、「この子を信じる」という視点を持つことが、過保護を防ぐ第一歩です。

感情を代わりに処理しない

子どもが泣いたり怒ったりすると、親がすぐに「大丈夫だよ」「泣かないで」と言って落ち着かせようとしがちです。
でも、子どもにとって大切なのは、自分の感情を感じきる経験。過保護な親は気持ちの処理までも先回りしてしまいます。感情を尊重し、「そのままでいいよ」とそばにいる姿勢が、子の心を育てます。

「手出し」よりも「問いかけ」を増やす

何か問題が起きたとき、すぐに解決策を提示するのではなく、「どうしたらいいと思う?」「どこまで自分でやってみたい?」と問いかけてみましょう。親の答えではなく、子どもの思考を促すことがポイントです。子どもに「自分には考える力がある」と感じさせる非常に有効な関わり方です。

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「過保護」な親から解放されるための方法5つ

「親の期待=自分の価値」ではないと気づく

過保護な親に育てられると、「親が喜ぶこと=自分の価値」、「親に迷惑をかけない=良い子」という刷り込みが根づきがちです。

まずは、「本当は誰のために選んでいるのか?」「これは自分の人生に必要な選択か?」と問い直すことからスタートし、親の感情と自分の人生を切り離す視点を持ってみましょう。

できないと思い込んでいる自分に気づく

過保護な親の影響で、「自分では何もできない」「判断は親に委ねたほうが正解」と無意識に思い込んでいることがあります。

しかし、行動を重ね、「やってみたら案外できた」という小さな成功体験を重ねていくことで、自分の力への信頼が取り戻されていきます。

感情の自己管理を身につける

過保護に育つと、つらさや怒り、不安を「親が何とかしてくれる」環境に慣れてしまうことがあります。

大人になった今は、自分の感情を感じきって整理する力が必要です。具体的には、日記を書く、感情の名前をつける、信頼できる人と話すなど、自分で感情を受け止めてケアする習慣を意識的に育てていきましょう。

親と適切な距離をとることを、自分に許す

過保護な親ほど、「あなたのためを思って」と干渉してきます。でも、それがあなたを苦しめるなら、物理的・心理的距離を取って良いのです。

連絡の頻度を減らす、必要なとき以外は報告しない、同居している場合は一人の時間を確保するなど、自分の心を守る権利を思い出してください。

親を変えようとしない覚悟を持つ

親に「わかってほしい」と願いすぎると、返って傷つきます。過保護な親は、無意識に自分の不安をあなたに投影していることが多いため、話し合いで劇的に変わることは少ないかもしれません。

だからこそ、「親を変える」よりも自分の心と選択を整えることに集中するのが、あなたの心を守る近道です。

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「過保護になってしまう」「親と距離をとりたい」…解決策の整理にカウンセリングを

「子どもが心配で過保護な言動をやめられない」、「過保護な親と距離をとりたい」…過保護をめぐる悩みは、長期間積み重なっていて、親子間だけでは解決しづらい場合も多くあります。」そんな時は、ぜひ専門家サポートを受けてみましょう。

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