「思い込みが激しい」とは、明確な根拠がないにもかかわらず、自分の中で決めつけてしまい、他人の意見や事実を受け入れにくくなる状態を指します。
このような思考パターンは、本人も気づかないまま対人関係や仕事の場面で摩擦やトラブルを引き起こす原因となることがあります。

この記事では、思い込みが激しい人の特徴や背景、柔軟な思考を育てるヒントについて紹介します。

目次

1. 「思い込みが激しい」人の特徴
2. 「思い込みが激しい」原因
3. 「思い込みが激しい」時の対処法
4. 柔軟な思考を身につけるためには、カウンセリング活用も有効

「思い込みが激しい」人の特徴

自分の考えが正しいと信じて疑わない

思い込みが激しい人は、自分の価値観や判断が正しいと強く信じており、異なる意見を受け入れるのが苦手です。

そのため議論やアドバイスが入ってきたときに「否定された」と感じやすく、反発的な態度をとってしまうこともあります。その結果、周囲との距離が広がってしまう要因になります。

他人の意見や助言を受け入れにくい

周囲からのアドバイスや指摘を「否定」や「攻撃」と捉えてしまう傾向があります。

これにより、他人からの視点や経験を取り入れにくくなり、自分の思考の枠を広げるチャンスを逃してしまうのです。結果として、誤った判断を修正できず、問題が長引くことも少なくありません。

固定観念が強く、柔軟性に欠ける

「男はこうあるべき」「自分は○○な人間だから」などと固定観念を強く持ちやすく、状況が変化しても対応が難しくなります。

新しい環境や価値観に触れたときも、理解しようとせず拒否することで、視野が狭まり、孤立感を深めることにつながってしまうこともあります。

「思い込みが激しい」原因

自己否定感やトラウマによる防衛反応

自分に自信がなかったり、過去に人間関係で深く傷ついた経験があると、自己防衛として思い込みにすがるようになることがあります。
自分の中で確かなものを持っていないと不安で、他者の視点や変化を受け入れる余裕がなくなってしまうのです。

慢性的なストレス

忙しさなどで頭が整理されず、偏った考えに固執してしまうことがあります。
とくに日々のストレスが蓄積していると、思い込みを強めることで、一時的に自分を守ろうとする心理も働きます。

発達障害や認知機能の変化による影響

発達障害を持つ場合や、認知症や加齢による認知機能の低下により、情報の取捨選択や柔軟な思考が難しくなり、思い込みが強く出る場合があります。

これは、その人の脳の特性によるものである場合も多いため、本人の努力だけではコントロールしづらいこともあり、周囲の理解と専門家による支援が必要です。

ADHD（注意欠如・多動症）

ADHDの特性には、注意の偏りや衝動性があり、情報の一部に強く意識が向いてしまう傾向があります。
そのため、相手の言葉の一部分だけを拾って極端に解釈したり、全体の文脈を無視して早合点することがあります。
また、衝動性が強い場合は、思い込みによって即決断してしまうため、誤った思い込みが強化されやすくなる場合があります。

ASD（自閉スペクトラム症）

ASDの傾向がある人は、物事を一面的にとらえやすく、相手の表現の裏側やニュアンスを読み取るのが苦手なことがあります。
その結果、相手の真意を誤解したまま思い込みが生じてしまい、人間関係での行き違いが生じやすくなります。
また、「自分ルール」が強い人は、それに反した言動を否定的に捉えやすくなります。

認知症・加齢による認知機能の低下

高齢になると、脳の機能が低下しやすく、論理的な思考力や柔軟な判断力が衰える傾向があります。その結果、「これまでの経験からこうに違いない」と決めつけやすくなり、新しい情報に対応するのが難しくなることがあります。

特に記憶力が低下すると、過去の印象に頼った思い込みが強く出る場合があります。
また、認知症の初期段階では、物事の原因と結果の整理が難しくなり、誤った解釈を強く信じてしまうことがあります。被害妄想や誤解に基づく不安が日常生活に影響を及ぼすケースもあり、周囲の理解と適切なサポートが重要です。

「思い込みが激しい」時の対処法

自分の思考パターンに気づく

まずは、「自分がどのようなときに思い込みや決めつけをしてしまうのか」を振り返ることが大切です。
日記やメモをつけて、自分の思考のクセを客観視すると、少しずつ視野を広げるきっかけになります。

他人の意見を尊重し、柔軟な思考を持つ

「自分とは違う考えがある」という前提を意識して、人の話に耳を傾ける習慣を持ちましょう。
まずは「否定せずに聞く」だけでも、他者理解の一歩となり、自分の思い込みに気づく助けになります。

ストレスや不安を軽減する方法を取り入れる

思い込みは不安や緊張が強いときに出やすくなります。深呼吸、運動、自然に触れるなど、日常の中で気持ちを落ち着ける習慣を取り入れることで、心に余裕が生まれ、思考にも柔軟性が出てきます。

柔軟な思考を身につけるためには、カウンセリング活用も有効

思い込みが激しい時に大切なのは、自分の考えを一歩引いて考えてみる習慣を持つことです。
「どうしても思い込みが強くて対人関係がうまくいかない」と感じたときは、オンラインカウンセリングなどで専門家に相談するのも一つの方法です。

オンラインカウンセリング「cotree」では、思考の癖や過去の体験を丁寧に掘り下げながら、自分らしい柔軟な思考を育てていくための専門家のサポートが受けられます。ぜひ気軽に相談してみてくださいね。