更新日 2024年08月20日 | カテゴリ: ストレスに対処したい
社会不安障害(社交不安障害・SAD)とは、社交の場面において非常に強い不安・緊張状態となり、様々な身体症状(吐気・震え・赤面等)が起こる精神障害を指します。
いわゆるあがり症(シャイ・内気)と社会不安障害が異なる点としては、身体症状が強く出ること、さらに社交への恐怖感からそれらを強く回避した結果、仕事や学業といった社会生活にも支障が出るなどが社会不安障害の問題として挙げられるでしょう。
社会不安障害としてよく知られているのは「スピーチ恐怖」ではないでしょうか?人前に出て喋ること、誰かの前で発表すること…確かにこのような場面で強い身体症状が現れてしまうケースは、社会不安障害の中で最も多いと言われています。
しかし、社会不安障害のケースは上記のようなものだけではありません。
今回は社会不安障害の人によく見られる5つの症状について解説していきます。
・電話が鳴ると動悸が高まる
・他の人に電話の会話内容を聞かれていると思う
・電話をとっても頭が真っ白になり言葉が出てこない
・他の人が居る場所等で電話が取れない
電話恐怖症は電話によって緊張状態が極端に高まってしまう社会不安障害の症状です。 社会不安障害における電話恐怖症は、特に「会社の電話」で起こりやすいとされています。 ビジネスシーンでの話し方に慣れていない時に電話中に言葉に詰まってしまった、話し方をキツく訂正された等、慣れない電話対応での一度の失敗が恐怖症の原因となることも多いようです。
電話恐怖症では「電話をかけること」も回避しようとしますが、特に「電話がかかってくること」で身体症状が強く出る傾向を見せています。
・いつも誰かに見られている気がする
・自分の作業や服装を笑われているのではないかと思う
・視線が気になり、仕事や勉強に集中できない
・マスクや帽子等で顔を隠さないと出かけられない
・動きがぎこちなくなったり、言葉が出なくなったりする
視線恐怖症(他者視線恐怖症)では、他人からの視線が常に気になってしまい、社会不安障害として社会生活に支障が生じます。
「人の視線が気になる(見られている)」というと「自意識過剰=自己評価が高いのでは?」と思われるかもしれません。
しかし視線恐怖症の場合はこの反対で、本人の自己評価は客観的評価よりも著しく低く、視線の意味は「自分が変ではないか」「笑われているのではないか」という不安から起こります。
・友人同士、同僚同士等での雑談に加われない
・数人で会話をしようとすると言葉に詰まる
・事務的な伝達なら会話できる
雑談恐怖症は、言うなれば「空気を読みすぎる(他者の状態を気にしすぎる)」ことで起こる社会不安障害の症状です。 「相手はこんな話で喜ぶのだろうか」「こんなことを話してつまらなくはないだろうか」と考えた結果、「雑談」という場に切り替わると強い不安が襲い、余計に言葉に詰まるようになってしまいます。
雑談恐怖症の特徴としては、会社の仕事内容の伝達、事務的な会話といった「あらかじめ話の内容が決まっていること」であれば会話ができるという点が挙げられます。
・人と一緒に食事をすると緊張する
・食べているところを人に見られたくない
・食事中の自分の立てる咀嚼音やマナーが気になる
・自分の食べる姿で周囲が気分を害するのではないかと思う
会食恐怖は、自分の食事姿や食事中の音等が他者に笑われる、見られていると感じ、強い緊張を感じる社会不安障害の症状です。 結婚式・会社での式典等のオフィシャルな場での食事の緊張感、それによる食事中での失敗等が社会不安障害の原因となることもあります。 会社内等で他人と食事が出来ない、外食は人に見られるから怖いといった様々な社会不安障害の症状が見られます。
・自分の汗臭さが他者に不快な思いをさせていると思う
・口臭・体臭が気になって他者に近寄れない
・口臭グッズ・体臭グッズ等を過剰に買い求める
・人と密着しやすい公共機関(バス・電話等)を避ける
体臭・口臭恐怖症は自分の体から発せられる匂いが気になり、他者との接触を過剰に避けるようになる社会不安障害の症状です。
喋っている時に相手が鼻に手をやった、話している時に相手と距離を取られたといった体験から「自分が臭いせいなのではないか」と発症するケースも多く見られています。
元々潔癖で綺麗好きという人も多く、本人に体臭や口臭等が見られなくても「自分が臭いから人とうまくいかない」という強い思い込みから社会不安障害になる人も少なくありません。
社会不安障害の様々な症例はいかがでしたか?
「周囲との同調」「標準的な振る舞い」が尊ばれる日本では、社会不安障害となる人の数は非常に多いと言われています。
ところが既に社会不安障害の身体症状が出ていたり、社会生活に支障が出ているのに、「自分の性格のせいだから」「我慢が足りないせいだから」と一人で悩んでしまい、社会不安障害に対する適切な治療を受ける人は少ないです。
社会不安障害は、専門家による適切な治療を受ければ治せるものです。
もしも上記のような社会不安障害の症状に思い当たる点がある場合には、早めに専門医やカウンセラーに社会不安障害について相談をしてみましょう。
メッセージを添えてカウンセリング体験を贈ることができるサービスです。
悩んでいる友人や家族に心のギフトを贈りませんか?
オンラインカウンセリングを受けてみたいけど、どのカウンセラーを選べばいいか分からない...
そんな時には、マッチング診断!
性格タイプ、相談内容やご希望に沿って、あなたにピッタリのカウンセラーをご紹介します。
えらべる:2つのカウンセリング方法「話すカウンセリング」「書くカウンセリング」
みつかる:220名以上の経験豊富なカウンセラー
利用された方の多くが、カウンセリングの内容に満足、または継続したいとご回答されています。