更新日 2024年08月23日 | カテゴリ: 自分を変えたい
「見た目は子供、頭脳は大人」というのは、人気アニメ『名探偵コナン』の名台詞ですね。ところがこの反対の「見た目は大人なのに、中身は子供」…そんな男性に出会ったことはありますか?
「いつまでも子供のままで成長が止まっている状態」--このことをアメリカの心理学者 ダン・カイリー博士は「大人になれない主人公の物語」からとって『ピーターパン症候群』(ピーターパン・シンドローム)と名づけています。
ピーターパン症候群は、病気や正式な診断名ではなく、アダルトチルドレンなどと同様に、人間の性格特性を表す一つの考え方です。ピーターパン症候群には、パーソナリティ障害などの精神疾患と重なる部分が見られることがありますが、実際に精神疾患を患っているかどうかの判断には、適切な専門家による症状の評価と診断が必要です。
もし、ピーターパン症候群に当てはまる人が身近にいて、日常生活に支障をきたしていたり、自分も含めた周囲が困惑している場合は、専門家による判断を仰ぐことが望ましいでしょう。
それではピーターパン症候群の特徴、そしてその対策についてご紹介していきましょう。
この記事のまとめ
→相手の改善だけでなく、自分の悩みを吐き出すのにもオンラインカウンセリングでの相談がおすすめ
ピーターパン症候群とされる男性には、以下のような共通項が見られるといいます。
父親が裕福で母親が専業主婦等、中流以上の家庭環境であることが多いようです。また長男・一人っ子であることも多く、その影響からか母親が子供を甘やかしてきた家庭である傾向が見られます。
感情をコントロールすることが極度に苦手で、感情を爆発させることが多いです。他者に対しては能力をひけらかしたり、自分が持つ能力以上があると思わせようとします。他罰的(自分ではなく他の人が悪いという考え方)であり、責任転嫁がうまい傾向にあります。また「男らしい自分」にこだわり、プライドは非常に高いのも特徴です。
目上の女性・自立した女性を非常に苦手とし、若く幼い雰囲気の女性を好みます。男尊女卑的な考え方、「女は男に庇護される立場である」という認識を持ちます。しかし家庭内・恋人に対しては「母親役」を強く求め、身の回りの世話・金銭の世話等、現実社会で生きていくための雑事を女性側に押し付けます。
小・中学校等では優等生であった人も多いです。進学や習い事などは親が決定したり口出しをしており、自分自身の志向はあまり取り入れられないことが増えます。10代後半頃になると精神的成長面のズレから友人関係で孤立化することも多いようです。
就職先等は親が決定・口出しをしていることが多いようです。一流企業や横文字職業と言った「見た目の良い仕事」に漠然とした憧れを持ったり、「起業して一発あてる」と言った理想論をいだきますが、現実的な対処を起こすことができません。責任ある仕事をまかされると強いストレスを感じ、パニックや抑うつ症状を起こすこともあります。しかし自分が興味を持ったことや責任の無いこと等には熱心に取り組むのも特徴です。
同性の「つるむ仲間」や「親分・子分(先輩・後輩)」と言った上下関係を好み、結婚後も配偶者や家族よりもそれらの友人関係に重きを置く傾向があります。しかし信頼できる相手、忠告をしてくれる友人等はおらず「楽しさを共有する」と言った快楽的な人間関係であることがほとんど。また暇な時間を嫌い、ワーカー・ホリックになる傾向も見られます。
「彼や夫が『大人になれない』『ピーターパン症候群』かも…」と思ったら、どんな対策を取れば良いのでしょうか?
『ピーターパン症候群』の男性が求めるのは、物語『ピーターパン』に出てくるヒロイン「ウェンディ」です。彼女はネバーランドに連れて行かれ子供達の「母親役」を押し付けられ、その困難に対して一所懸命に対処しようとする女性。
「自分の全てを受け止め許す母親」…これがピーターパン症候群の理想の女性なのです。
「どうしても彼を見捨てられない」と思うのであれば、「母親目線」で少しずつ相手を矯正していくのもひとつの手。とは言え強すぎる叱責等をすれば、ピーターパンはたちまちヘソを曲げてしまいます。
小さな子供を教育するように、良い点を褒めながら少しずつ改善していくことが必要になるのです。しかし実際には多くの女性が「ピーターパン症候群」の男性を教育することに疲れ果て、ストレスを貯めこむ「ウェンディ・ジレンマ」に陥っています。「ウェンディ」になるのにはかなりの覚悟が必要と言えるでしょう。
ピーターパンに関わるもう一人の女性が「ティンカーベル」です。彼女はピーターパンに依存しすぎておらず、楽しいことがあれば共有はしますが、ピーターパンを甘やかしはしません。
女性側が経済的・精神的に自立し、相手の面倒な面は「放置!」とするような自由さを持って接することができれば、二人の関係は長続きする可能性も高いかもしれません。
『ピーターパン症候群』は精神的疾患(心や脳の病気)ではなく、環境等で生まれた関係性の病理の一種です。そのため薬物治療といった対処を行うことはできません。しかし心理カウンセラーによる認知行動療法で「考え方(認知)」や「振る舞い」を少しずつ変えていくことはできます。
「自分だけでの対処が難しい」と感じた場合には、専門のカウンセラーを頼ってみましょう。カウンセリングは、男性が持つ「自分は特別だ」という思い込みや、過去に形成された自己認識を見直す機会を提供します。定期的なセッションを通じて、俯瞰的な視点を身につけ、対人関係や社会生活をよりスムーズに営めるようになることが期待されます。
また、カウンセリングを受ける際は、男性が持つ抵抗感を和らげるためにも、まずは「ストレスケア」や「自己成長」のためといった名目で始めるのが効果的です。
『ピーターパン症候群』はその問題を自覚している人は少なく、自ら「大人になれない……」と悩んでカウンセリングに向かう人は少ない傾向にあります。また「ピーターパン症候群を治すため」という名目でカウンセリングを薦めても、大きな拒否反応が生まれる可能性は高いと言えるでしょう。
しかし『ピーターパン症候群』である20代以上の男性の場合、人間関係・社会関係等で何らかの問題が生じていたり、ストレスによる抑うつ症状等が発生している場合が少なくないものです。 これらの問題改善のためにということでカウンセリングを推奨してみるのもひとつの手ではないでしょうか。
また、女性側も相手に対して過度な期待を抱かず、適切な距離を保ちながら関わることで、共に成長する可能性を探っていくことが必要です。ストレスを抱え込まないよう、自身のメンタルケアも忘れずに行いましょう。
『ピーターパン症候群』に悩む男性との関係改善は、時に難航するかもしれませんが、焦らずに少しずつ向き合っていくことが大切です。
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